2017-09-15

2017年9月15日

八王子の山に竹を取りに行ってきました。

ここ数年はリサイタルの舞台美術を、陶芸家の川合牧人さんと華道家の手島久子さんにお願いしています。

今年10月7日のリサイタルは、青竹を使った舞台になるということで、足手まといになるのを承知で、いざ山の中へ。

余裕があったのは最初だけでした。

竹を選んで、切って、枝を落とし、勾配のキツい斜面を運び上げ(私は押しただけ)、竹を割って、裂いて、ねじって、巻く。どれ1つとっても、竹の特徴を考えながら、腰を入れて身体全体の力を使わないと出来ないことばかり。

汗みどろになりながら奮闘中、名人のようなおじいちゃんが出てきて、竹の性質を教えてくれたり、美少年が出てきて、手伝ってくれたり、ちょっとおとぎ話の世界です。

おにぎりとお茶の美味しかったこと!

それにしても、竹取物語に出てくる竹取の翁は、竹で生計を立てていたのだから、かなり力持ちのおじいちゃんだったはず、と、見る目が変わりました。

清々しいながらも、力強い生命力のある舞台になりそうです。

あの竹がどのようになるのかしら?
私も含めて、当日のお楽しみです。

2017-09-13

2017年9月13日

突然、夏がストンと終わりました。
 短かったような気もしますが、夏を思いっきり吸い込んだ2日間がありました。

8月は19日20日と、井上誠さんが園長、井上美千代さんが副園長をつとめる湯河原の宮上幼稚園にて、「湯河原色えんぴつ」主催のサマースクールでした。  

全国色んな地域からやってくる発達障害の子どもたちとその家族を中心とした会です。  幼稚園でお泊まりをしながらの2日間、物事の本質に向き合うアーティスト達による本気ワークショップが繰り広げられます。 

初めてこのサマースクールのことを耳にしたとき、自分も是非その本気を間近で感じたいと完全受け身で申し込んだはずが、私も箏のワークショップをさせて頂く、という驚きの展開です。 

新たに寄贈して頂いた箏も含め、箏10面持って参加してきました。 

いつも一緒に活動をしている小林篤さんと、今回は初参加の、娘の小林巴ちゃんと3人。 サマースクールの名前である「色えんぴつ」と絡めながら、箏の音と色風景が皆さんの心にほんわかと残るように、必死に準備を重ねてきました。

どうやったら、箏の音を感じてもらえるか、楽譜を抵抗なく受け入れてもらえるか、自分だけの音楽を創造してもらえるか。 考えることは数限りなくありました。  

優しい色のついた可愛い楽譜にするには…、絃が分かりやすく見分けられる色の並びにするには…。随分と試行錯誤しました。  

私は子供のころ、一番初めに箏を触った時、部屋中が色であふれた気がしました。 どうしたら、あの魔法のような空気が出来るかしら…  

当日、皆さん、目を少し大きくして箏の音を聞いていました。恥ずかしそうに、でも嬉しそうに、箏に触っていました。
 箏も、恥ずかしいそうに、でも、とても優しい音を出していました。 

それはそれは優しく温かい時間でした。  

それにしても、そのサマースクールは、想像を上回る濃い時間でした。

 我々によるワークショップから始まり、美術家の中津川浩章さんのワークショップ、めちゃうまカレーライス、温泉、寝る前は作家の田口ランディさんが導く参加者による朗読劇、子どもたちが寝静まった後の飲み会、朝市、川沿い散歩、身体にしみる朝ごはん、音楽家の竹田えりさんのワークショップ、そして好きなこと(我々は箏コーナー担当)。
どのプログラムも、全力で感じることが出来るように、全力で身体を動かすことが出来るようになっていました。 

私もほぼ全部に参加しました。 
全身で学びました。 
全身で感じました。  

「やだ〜、やめたくない!」と箏から離れない子どもの声に、心の中で「私もやめたくない〜!」と地団駄を踏んだ、夏の思い出です。