コトバ通り、人を指すとなったらまず誰でも人差し指を使います。ただ、人を指す指なら「人指指」にしてもいいと思いますが、ややこしくなるのでやめたのでしょうね。
国によってのジェスチャーの違いが話題になることがありますが、何かを指す時にこの指を使うのは共通であるようです。
箏でうまく弾けない時、人差し指がフニャっとなっていることに気がつくことがあります。そこで人差し指にエネルギーをこめると、なぜか弾けるようになるのです。
人差し指にはどんな役割があるのだろうとつい考えてしまいます。
つい先日も、九品仏の浄真寺の阿弥陀如来像を見ていたら、人差し指が力強い。
古来インドでは手の形で意志を現す習慣があったらしく、 仏や菩薩が手指で示す印の形のことを印相と呼び、それぞれ意味を持たせていたそうです。
浄真寺の阿弥陀如来も、伸びているか、親指と輪を作っているか、どちらにしてもエネルギーに満ちた人差し指なのです。
どうして人差し指であるのか。
試しに、腕を伸ばして、指を広げてひらひらと振ってみました。
指先があちこち行くのに、人差し指だけははっきり目に見えます。周りがグルグル回るのに人差し指が動かない。なんか、北極星を取り巻く星の軌跡みたい…。
そうか、人差し指は手の北極星であるのか。
手が自分の位置を知る道しるべ、それが人差し指なんだろうか。そして、意志のかけらから身体の動きが成り立っているとすれば、意志の道しるべでもあるのかもしれない。
そんなことを考えると、私の短い人差し指も凛々しく見えてくるのです。