先週ホームページにコンサート映像をアップしましたが、これを撮って編集してくれたのが、阿部ちゃんこと阿部耕介さんです。
そもそもはフリークライミングでの友人です。
指を痛めると演奏に支障が出るので、最近はクライミングをほとんどしなくなりましたが、ではクライミングから遠ざかったのかと言うと、そういう気はしません。クライマーはなんというか心の友です。
クライミングって、誰からも頼まれもしないのに、わざわざ崖を登り、自分の限界と向き合います。限界のときに透明な精神状態であれば一番良いのでしょうが、それこそ多くの葛藤と感情が入り乱れる中で出る一手は、隠しようのない裸の自分です。
どんなレベルであれ、そういう時にどうするかということの持つ意味合いは誰にとっても同じで、男も女も大人も子供もプロも初心者も関係ありません。なんというか単なる何者かです。
そういうスタンスで人や物事に向き合うクライマーは、私には妙にしっくりきます。
阿部ちゃんも、そうやって物事と相対しているような気がします。
そして、見かけによらず(ゴメンナサイ)細やかな気づきが人よりかなり多い生活を送っているんじゃないかなと思います。それでいて、直感の持つ大胆な力もよく分かっていて…。
パンフレットもチラシもお世話になっているのですが、提案してくれるものには、パッと見て、あ、いいな、という印象をまず持ちます。
自分も曲を作ったりしますが、物づくりにおいて、実はこれが一番難しいんじゃないかとつくづく思います。
ところで、阿部ちゃんのパートナー(阿部ちゃんに言わせると妻ちゃん)は優さんと言って、書家です。
私の『生ひ立ちの歌』の映像で流れているのは優さんの書です。すっごくすっごく繊細な方ですが、その中にあるググッとした力強さは作品にもよく表れていて、生命力が細く強い青白い光で浮き出てきているのを感じます。
強さってなんなんだろうなあ。
この二人がもう仲良しで、都会から離れて住んでいるのですが、どっかおとぎの国の秘密基地みたいなところに身を潜めているんじゃないかしらと睨んでいます。
こういう人に、おんぶにだっこの私です。
重くてごめんなさい〜