2013-11-26

2013年11月26日

リサイタルが終わってもう半月が経ってしまいました。
そもそも毎日をフワフワ過ごしている私ですが、この半月はフワフワの特急列車に乗って、降りるべき駅を全て乗り過ごした感じです。そろそろ降りなくちゃ。

先日の明日館では初めて舞台を視覚的に彩って頂きました。
陶芸家の川合牧人さんに全てをお任せしました。
私は可愛いらしいものや単に綺麗なものには興味がないということだけはお伝えしました。それはすでに察して頂いているようでした。言葉を語らずモノを言う、そういう空気をまとった方です。

私の大好きな白礫釉の器に、大胆に竹を組み合わせた案をお考え頂き、つい笑顔がつられる生け花の手島久子さんにご協力頂き、総合的に舞台を作って頂きました。
明日館の別なコンサートで箏の舞台をイメージして頂くところから始まり、竹を自ら切り出して割って処理して運んで…、そして大きな花入の搬入、竹に合うお花の準備、本番のセッティングと、それはそれは大変な労力をかけて頂きました。あまりに涼しげなご様子なので、よく分かっていなかったのですが、後からブログで拝見して泣けました。

コンサート後、あの舞台はどうやったのかという問い合わせが多かったのですが、是非川合さんのブログをご覧下さい。十月末の竹の切り出し、私もお手伝いすれば良かった…。

当日の本番前、舞台と客席を行き来する時に、竹のわっかの中を通り抜けて行きました。小さい頃にそうやって裏山に足を踏み入れていたことを思い出し、なんか嬉しくなって、わざわざそこを通って行ったり来たりしていました。
どこでもドアとタイムマシーンが一緒になったようなわっかでした。

明日館講堂は来年十月から四年くらい工事に入るそうです。もちろん元の風合いを残しながらの工事でしょうが、昔のままの佇まいの中で心をこめて空間を作って頂き、その中でギリギリの自分でいられたこと、心から感謝します。